[難関中学受験]その6年間ってどうなの

query_builder 2022/02/08
受験

[難関中学受験]その6年間ってどうなの  


 タイトルの問いは京都大学卒のお笑い芸人ロザンの宇治原さんがコンビのYouTubeチャンネル内で投げかけた問いです。その主旨は、小学校の間にいろいろなものを犠牲にして中学受験を見事突破したものの、その後の6年間の成長曲線が緩やかで伸びなかった場合、公立校に進学してコツコツと勉強に励み京大合格をつかみ取った自分(宇治原さん)との伸び率を考えると、果たして灘や洛南などの難関中学を受験する意味はあるのかという問いかけです。この問いかけは保護者の方との雑談の場でもよくあるご質問で、果たして莫大な時間と教育費を費やして中学受験させる意味はあるのか、究極の問いですね。  

 宇治原さん自身はまだお子様に受験させるかどうか迷っているとのことでしたが、私としての中高一貫の6年間に対する見解はこうです。まず、中高の6年間の学びとその出口である大学合格は切り離して考えましょうというのが一点。そして、東大・京大レベルの難関大学合格者というのは、公立・私立、一貫校問わず猛勉強が必要であるというのが一点です。宇治原さん自身も受験生時代は1日11時間勉強したと話しています。大学進学実績というのは中学受験を選択する際の分かりやすく魅力的な指標です。例えば、令和3年度の並木中等教育学校の進学実績には筑波大学22名(医学部5名)、東大4名、京大1名とあり、並木に合格すれば自分の子どもも東大に行けるのではと期待して受験する場合もあるかと思います。しかし、これらの大学合格者は当然ながら6年間を漫然と過ごしていません。中学入学と同時に大学受験向けに塾通いをスタートさせていたり、独自に得意科目の探求・演習をこなしているのです。そのため、出口戦略での難関大学へと考えているのであれば、中学受験後も継続して大学受験へ向けて始動するという心構えと生徒本人の揺るがない意志がまず問われるのではないでしょうか。純粋に難関中学校での学びを我が子に味わってほしいのか、それとも大学合格が目標なのか。その答えによっては必ずしも難関中学校に進学する必要はなく、地元の公立校から虎視眈々と大学受験に向けて勉強する戦略もありかと思います。  

 以上のことを踏まえますと、12歳の段階で大学進学への意志と受験勉強への適性が備わっていない場合、無理に中学受験をする必要はないということです。宇治原さんの様に公立校に進学して、どこかのタイミングで勉強へ覚醒する瞬間があるかもしれませんし、自ら奮起して大学受験へ向けて猛勉強してそのまま突破するというケースも多々あります。それでもご家庭の方針として中学受験したい場合は、その本質的な理由と受験する学校がどういう学校なのかを生徒と一緒によく知ることが不可欠です。やりたい部活動がそこにしかないから、オープンスクールでブラスバンドの演奏に感動したから、施設が気に入ったから、こういった理由でも構いません。中高の6年間というのは勉強だけする場ではありません。その空気、人間関係、文化的資本、伝統を吸収する6年間でもあるのです。大学進学実績という魅力的な指標のみに惑わされず、その学校を選ぶ本質的な理由に焦点を当てて検討してみてはいかがでしょうか。


お笑いコンビ・ロザンのYouTubeチャンネル:「ロザンの楽屋」

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