[英語] 教科書の厚みについて

query_builder 2022/02/15
中学生
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[英語] 教科書の厚みについて  

 中学校の学習指導要領が改訂され早1年が過ぎようとしています。英語の指導においては、4技能の能力向上と、英語で伝えるコミュニケーション能力の養成をより重視した内容に改訂されました。各学年でこれまで習っていた文法事項も一部見直され、高1の仮定法が中3に登場、中2内容の時制の一部が中1にスライドとなりボリュームアップしました。中学英単語の語彙数も1200語程度から1600~1800語程度へ増加しています(教科書会社によって差異あり)。  

 当然、教科書は分厚くなるはずですが、初めて新教科書を手で持ってある点に気づきました。それは、厚みを変えずに教科書のサイズをひと回り大きくしたという点です。その大きめの教科書をパラパラとめくってみて、どこか英会話教室のテキストに似てきたなという印象をまず受けました。また、習うべき文法事項が増えたにも関わらず、文法演習よりも表現ページやシチュエーション練習のページが増えている点にやや不安を覚えました。ただでさえ2021年度からの学修指導要領では授業を「英語で」行うことが求められており、かつ文法事項と単語量が増えているのですから、母語で「英語を」きちんと教えてあげた方が生徒の理解は確実なのではないでしょうか。4技能強化を謳っているのはよく分かりますが、今回の新教科書の様子を見るに、パターン練習やグループ練習での割合が増えており、指示と準備に時間のかかるアクティブラーニングとグループワークが求められ、学校の先生の負担や力量で差が出るだろうというのが率直な感想です。その一方で、定期テスト等で出題される文法項目自体は増えるのですから、生徒からすれば授業理解と実際のテスト勉強が分離してしまい、真面目に授業に出席していてもテストの点数は取れない可能性すら出てきます。まとめると、今回の改訂では4技能それぞれに中途半端に手を出してしまったかなという印象を持っています。コミュニケーション力を付けさせるにしては詰めが甘く、文法のウェイトを減らしたいのか増やしたいのかよく分からないというのが正直なところです。  

 このように、教科書の厚みの変化から学校での英語学習を考えてみました。私たちはあくまでも「塾」ですから、文法・読解の能力養成を強みとして指導に当たっていく姿ことに変わりはありません。きちんとした文法力と読解力が付けば、スピーキングやヒアリングといった能力は後天的にトレーニングで伸ばせると考えています。逆に、義務教育段階の学校で行われる上記のような薄いコミュニケーション練習では、自己紹介や趣味を尋ねるレベルの会話能力しか育たないのではないでしょうか。しばしば語られているように、文法の勉強ばかりするから英語が話せないのではなく、文法をまともに修得していないから話せない、聞こえないのだと思います。4技能修得は高校や大学以降の教育でも遅くないわけで、テストや受験が大切な時期である中学生に対しては、分かりやすい文法指導、中身のある読解指導を提供するべきだと考えています。

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